久々にこれはすごい本だ!と自信をもって言える本に出合いました。
今回紹介するのは「嫌われる勇気」です。
「嫌われる勇気」とは
一言でいうと「幸福になるためのアドラー心理学」です。
小難しい本ではなく、青年と哲人という2人の登場人物の対話形式で進んでいきます。
青年はコンプレックスやトラウマの塊のような存在で、アドラー心理学に対して猜疑的です。
それを哲人がメンターとしてアドラー心理学を伝えていく内容になっています。
毎回論破する気満々で議論に臨む青年が、哲人に何度も言い包められて帰ることになっており、物語としても面白いです。
本著では、
という3つのポイントをアドラー心理学によって論理的に説明しています。
その要所を以下で紹介します。
トラウマの否定
アドラー心理学では、トラウマを明確に否定します。
人はトラウマによって行動するのではなく、トラウマを利用しているのだと言われています。
人は現状維持をするために、過去の不幸な出来事があったせいだとトラウマを利用しているのだというのです。
例:私が告白できないのは赤面症のせいだ
→告白せずに現状維持をする理由として赤面症を後付けしている
結局トラウマは自分が現状維持のために後付けで設定しているものなので、自ら選択して変わることが可能ということです。
強いトラウマを持っている人ほど受け入れがたい理論かもしれません。
しかし、自分自身で選択しているだけだと理解すれば、トラウマとは容易に克服可能であるという事も解ります。
そのため、人は変われる。ということです。
他者の課題を切り捨てる
何か課題やトラブルが発生した際、最終的に誰が責任を引き受けるかを考え、自分と他者の課題を明確に切り分けます。
そして他者の課題には踏み込まないし、自分の課題には踏み込ませないことで対人関係のトラブルを避けます。
例:「勉強しなさい」という親
→勉強をしない結果を引き受けるのは子供であるため、言う必要がない(相手の課題に踏み込むことになるので、関係が悪くなるだけ)
また、アドラー心理学では承認欲求を否定します。
承認欲求とは、自己実現欲求を他者に褒めてもらうことで安易に得ようとする欲求です。
依存すれば、他者の期待を満たす為に生きることになります。
褒められようとすることを禁止 = 「嫌われる勇気」です。
他人の期待に応える必要はなく、純粋に自分の課題に向き合っていればよいのです。
そのため、人生はシンプルであるということです。
今、ここを真剣に生きる
人生は過去、未来に囚われず、今現在に強烈なスポットライトを当てて集中するべきです。
過去や未来を見る事で免罪符を得ようとしてしまうからです。
過去を見ることで…
かつてこんな事があったから自分は不幸だ。と決めつけてしまう。
未来を見ることで…
目標の途中だから今は我慢するしかない。と考えてしまう。
人生を線で捉えるといつまでも目標に到達せず、途上の人生を歩み続けることになってしまいます。
例:旅行の楽しみは目的地に到着すること?
→目的地までの行程も旅の醍醐味。
人生とは連続した点と考えるべきであり、いまという点に集中することが幸福になるために必要なことです。
人生を旅に例えることがありますが、旅であるならその旅路である現在も幸福であるはずです。
そのため、今、この瞬間から幸福になれる。ということになります。
嫌われる勇気を読んで
誰もが幸福になるための論理的な見知です。
幸福になりたくない人はいないと思うので、万人が読んで損はない本です。
この本の内容は理解できても、実際に行動や思考を変えていくのは大変です。
この本のタイトル通り多くの「勇気」が必要となることでしょう。
私も、お金が無いから、仕事が忙しいから、といろいろな事に対して言い訳をしていた様にも思います。
特にトラウマを否定されるのは非常に刺さりますが、前向きに捉えた方が具体的なアクションに繋がります。
この本も、私のたまに読み返す一冊に加わりました。
かなりおすすめできる本です。
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