昨今のバズワード(政府主導なのでバズワードとは言わないかもしれない)である「働き方改革」について、自分なりの考察を述べたいと思います。
いつか書いたビッグデータ同様、確かにバズワードではあるかもしれないですが、これも決して軽視出来るものではないです。
企業の利益に大きく寄与する取り組みと考えています。
利益です。利益。「働き方改革」を正しく実現できれば確実に「利益」に繋がります。
「働き方改革」政府の狙い
「働き方改革」は政府が打ち出した政策です。
あまり細かい話は出来ませんが、政府の狙いは大きく分けて以下3点です。
- 働き手を増やす
- 労働生産性の向上
- 出生率の向上
企業は利益を追求する義務を持っていますので、この目的のまま企業で取り組もうとしてもかなり無理があります。
「出生率の向上」を目的に婚活パーティーを会社主導でやっちゃうとか…、ちょっと面白そうですが、利益につながらない試みは実現が難しいでしょう。
企業が目指すべき 「働き方改革」の取り組み
「働き方改革」の取り組みとして、以下の取り組みが良く上げられます。
- 自宅など、社外の勤務を認めるテレワーク制度の導入
- 労働者を有利にする人事、給与制度改革
- 長時間労働の是正
もううんざりするほど聞いてきましたが、これらを粒々でやってもほとんど意味がないと考えています。
なぜなら、取り組み一つ一つを単体で見た場合、これらはすべて労働者優位にするための取り組みに過ぎなく、企業の利益につながらないからです。
テレワーク | 社員が社外にいることが利益につながる? 何人が何日テレワーク出来ている? テレワークしていない人・日は「働き方」が改革されてる? |
人事・給与制度改革 | 給与アップが企業利益になる?(なりません) 「女性の管理職」本当に女性社員は望んでる? 制度改革の恩恵の対象にならない人は? |
長時間労働の是正 | 社員の働く時間が減る事が企業利益になる? (酷いサボり社員が多くいない限りはなりません) |
勘違いしないで欲しいのは、私は「働き方改革」の超肯定派です。
特にテレワークは多くの企業で採用するべきと考えています。
なので下手な手を打って、
「政府が理想を謳ってるだけ」
「金が掛かるだけ」
「当社の社風には合わない」
といった結論に至るような失敗をしたくないし、して欲しくないと思っているので先ほどの否定を述べています。
肝は社員のモチベーション変革
これは完全な私見ですが、「働き方改革」とは労働者の労働に対するモチベーションを「外的モチベーション」から「内的モチベーション」に変革させることだと考えています。
少なくとも「働き方改革」によって、そういった変革をもたらすことが出来たなら、企業のパフォーマンスは爆発的に向上することは間違いないです。
「外的モチベーション」と「内的モチベーション」
「外発的モチベーション」「内発的モチベーション」とも言います。
誰もが体験していることですので、例示が解り易いです。
No | 外的モチベーションの例 | 内的モチベーションの例 |
1 | 親に勉強しろと言われて勉強する | 行きたい学校に進学するために勉強する |
2 | 上司からの指示で仕事をする | 自分のやりたい仕事をする |
3 | 規則で学校・職場に行く | 学校・ 職場に行きたいから行く |
4 | 今の生活(給料依存)の為に働く | 自分の達成欲や能力向上の為に働く |
5 | 大半の日本企業 | 世界的な成功企業(Google, Apple…etc) |
まぁ、No1,2が圧倒的に解かり易いですよね。。
外的モチベーションとは
- 人の指示に従う事による「義務感」
- 常識や周りの人たちが同様にやらねばという「連帯感」
- 給与が無ければ家族を養えないという「責任感」
これら他人が要因となるモチベーションが「外的モチベーション」です。
マイナスイメージっぽい例ばかり挙げたのですが、モチベーションの要因としては「外的モチベーション」も大事です。
しかし、日本は「外的モチベーション」に頼り切りの社会なので、あえて言います。
「外的モチベーション」は全く大事ではありません。
全て捨て去るくらいの勢いで丁度良いです。
内的モチベーションとは
超単純です。 やりたいことをやろうと思う心です。
自身の欲求(承認欲、達成欲、金銭欲…etc)が要因となるモチベーションです。
圧倒的パフォーマンスの差
自身の経験からも想像がつくと思いますが、
「外的モチベーション」<[超えられない壁] < 「内的モチベーション」
です。
この差は圧倒的で、まさしく[超えられない壁]です。
あと「外的モチベーション」に頼りすぎると人は普通壊れます。
真の「働き方改革」とは
「外的モチベーション」と「内的モチベーション」の間にある[超えられない壁]を超えることこそが真の「働き方改革」です。
テレワーク制度を導入するのも良いですが、そもそも会社に来たくなるような就労環境の整備も必要です。
人事給与制度によって社員満足度の向上を図るのも良いですが、会社のブランドを向上させて「自分たちは良い企業に勤めている」と社員に思わせる事も大事です。
「良い企業に勤めている」という自覚のある社員は、「良い企業に相応しい社員」であろうとするモチベーションが働きます。
一流企業の強さは純粋な社員の力や資金力だけでは無いはずです。
終わりに
企業は労働者の「内的モチベーション」に積極投資すべきで、出来ない企業はいずれ淘汰されます。
例示したGoogle社等は、
- 社内にカフェ、キッチンが多数設置
- 飲食無料
- 机・椅子、オフィス立地、他高級設備
- プロジェクト参画や異動はすべて立候補制
など、挙げればキリがないほど充実しています。
しかし、彼らはこれを「福利厚生」ではなく「投資」である。と主張しています。
つまり、 労働者の「内的モチベーション」に積極投資しているから、他社を圧倒するパフォーマンスや革新的なイノベーションを実現できる訳です。
ただ、残念ながらこれらは「外的モチベーション」で頑張ってきたジジイたちには到底理解不可能な相談です。
まさしく「老害」であるこの方々がリタイアされるまでは、大半の日本企業に変革は訪れないことでしょう。
ざんねんでした。