サイトアイコン SE×FIRE!

[開発進捗2]XBRLファイルを決算データ化する

四半期決算を分析するアプリをWordPressで作るの開発進捗の二回目です。

[前回] [開発進捗1]決算短信XBRLをデータベース化する

 

またまた期間が空いてしまいました。

ブログ更新は超サボってますが、開発は順調に進んでいます。

一応さほどの手詰まり無く進んではいるのですが、なかなかやってきたことを文章化する時間を取れていません。

と、時間を言い訳に隙間時間は全部開発に充てていたのですが、ふとソースコードを見返したところ、もう既に何やってたか思い出せない箇所が出てきたのでいい加減進捗を書きます。

まずは全体の構成図から今回の開発範囲を記述します。今は以下の赤枠内を開発中です。

XBRLファイルを取得してくる箇所は開発済みですので、これを決算データとしてデータベースに投入しようとしています。

しかし、このXBRLが一筋縄ではいかない構造をしており、Pythonの処理内のみで決算データに変換するのはかなり無理のある構造になると断念して中間データを作るような形式に変えました。

今回の開発進捗はこのSTEP1です。STEP2については現在開発中です。

なぜこのような構造を取らざるを得なかったか、また、この実装を行う上でBeautySoupというPythonパッケージが大活躍したのでその紹介です。

XBRLをパースしようとする場合、他でも応用の効く内容です。

XBRLの構造とデータ化について

XBRLの説明なのですが、今回の様にデータベース化する場合に絞った情報です。

ちゃんと説明するともっと語ることがあるみたいですが、やりたいことに対してあまりにも余計な情報が多すぎます。

学習に時間を取られるのが勿体なかったので、必要最低限必要な理解に留めています。もし、誤りがあったらごめんなさい。

まず、XBRLは大きく分けて「文字データ」と「数値データ」と「自由に書ける情報」の3つに分かれています。

「自由に書ける情報」については大半がhtmlの体裁のための情報や「売上高」といったラベル文字列ですので今回不要です。

必要なのは「文字データ ix:nonnumeric」と「数値データ ix:nonfraction」です。

文字データを例に説明します。

文字データ(ix:nonnumeric)について

「ix:nonnumeric」というタグ名で始まるのが文字データです。XBRLは規格ですので、要素内の名称や取れる値に既定のルールがあります。

なのでデータの一つ一つを確認し、例えば、

証券コードが、name=「~SecuritiesCode」

決算期が、name=「~FiscalYearEnd」

という対比を作っていけばXBRLを決算データ化する事が出来ます。

しかし、データ分析やテーブル設計の分野では、この様な課題が発生した際、いきなり目的の構造化したデータを作ることはしません。

前回の進捗報告で記述した、「ログ層、集約層、集計層」というデータ構造の基本的な考え方に基づいてテーブル設計を行う必要があります。

つまり、今回の件で言えば、以下のようなデータを作ります。

filename contextref format name text
tse-qcedjpsm-… CurrentAccumulatedQ3Instant tse-ed-t:DocumentName 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
tse-qcedjpsm-… CurrentAccumulatedQ3Instant ixt:dateerayearmonthdayjp tse-ed-t:FilingDate 平成30年9月10日

そして、ここから決算データを作成します。

こうすることで、XBRLをパースする処理と、決算データを作る処理を分割できるメリットがあります。

こうして処理やデータ構造を分けることは、

問題が発生した場合の影響範囲、パフォーマンス、拡張性、開発のし易さ

が段違いです。

他でも応用の効く考え方・・・、というかこれが身についていないと設計や分析において非常に不利です。

前回の報告でも記述しましたが、ほんの少しでもデータベース設計やSQLを用いたデータ分析に興味のある方は以下の本を読んで学習される事をお勧めします。

一応私も現役で一部上場企業の基幹系システムのデータベース構築・管理・設計、データ分析を任されるプロです。

その私が「どの様なレベルの方が購入しても”絶対に”損しない、名著中の名著」と言い切れる程の本です。


この説明だけでだいぶ文字数を食ってしまいましたので一旦切ります。BeautifulSoupの照会までいけませんでした。

本当に素晴らしいのは私の拙い設計やうんちくではなくて、BeautifulSoupです。

今回の件で初めてPythonに触れましたが、

「え?Pythonエンジニアって日常的にこんな便利なもの使ってるの?ずるくない?」

と思った程です。BeautifulSoupの活用によって、相当な日数の開発時間を削減出来ました。

BeautifulSoupを照会するブログやサイトは世の中に大量に存在するのですが、XBRLの分析に特化した記事を書いているものはないです。

しかし、XBRL × BeautifulSoupという組み合わせは非常に強力です。

個人的にXBRLを分析しようと思っている方(が、世の中にどれ程いるかは判りませんが)にはかなりお勧めしたい手法です。

BeautifulSoup開発者に敬意を評して(かつ、私が何やったか忘れない為にも・・・)、しっかり書き残しておこうと思います。
次回
[開発進捗3]XBRLファイルをBeautifulSoupで解析する

モバイルバージョンを終了