結論から言いますと、
積立NISAの方がお得です。投資を始めたばかりで投資資金が余剰している場合、
まずは一般NISAで毎年120万円投資して、投資資金が尽きてきたころに積立NISAに変えるというプランを考えている人がいるかもしれません。(というのも、私がその様に考えていたので)
ただ、いかなる場合でも積立NISAへの切り替えは早ければ早いほどお得です。まずはNISA制度の確認から行きます。
一般NISA
制度期間 :2014年~2023年
非課税期間:5年
年間投資枠:120万円
ロールオーバー制度:有り
ロールオーバー制度とは5年間の非課税期間を満了した場合、更に5年間の延長を行うことが出来る制度です。ただし、5年間の運用によって120万円以上になっていた場合はその年の年間投資枠は使えません。文書にすると意味解んないですが、
要するに、600万円を10年間非課税で運用できる制度です。積立NISA
制度期間 :2018年~2037年
非課税期間:20年
年間投資枠:40万
ロールオーバー制度:無し
こちらは何だか解かりにくいロールオーバー制度がありません。
要するに、800万円を20年間非課税で運用できる制度です。因みにですが、2037年に取得した枠は2057年まで非課税です。
また、一般NISAから積立NISAへ切替を行うと、一般NISAで投資していた分のロールオーバーは出来なくなります。
複利計算してどちらがお得か検証
最終的な利益が大きい方がより非課税の恩恵を受けます。なので純粋に複利計算を行ってより高額な方がお得と判断します。
前提として、再投資型の投資信託を購入。その年利を4%と固定して計算します。マイナスでなければ何%でも結果は同じです。
ケース①一般NISAを10年運用して制度終了後、積立NISAを運用する
一般NISA制度終了後も積立NISAの制度は継続中です。一般NISAを最後まで利用する前提でNISA制度を最大限利用するなら、一般NISA制度終了後は積立NISAを利用することになります。
まずは一般NISAの運用利益計算から
$$(一般NISA10年の運用利益)={120万円\times5}\times(1.04)^{10}-{120万円\times5}\simeq{288万円}$$積立NISAの制度の残り年数10年間投資出来た場合の運用利益は以下の通り
$$(積立NISA10年の運用利益)={40万円\times10}\times(1.04)^{20}-{40万円\times10}\simeq{476万円}$$ $$(ケース①利益)={288万円}+{476万円}={764万円}$$ケース②積立NISAを20年運用
$$(積立NISA20年の運用利益)={40万円\times20}\times(1.04)^{20}-{40万円\times20}\simeq{953万円}$$結果が出ました。積立NISAの方がお得です。
この一般NISAから積立NISAへの切替は早ければ早いほど 20年間非課税 のメリットが効いてくるのでお得になります。
積立NISAの注意事項
積立NISAは長期・積立・分散投資に適した投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。株式は存在しません。
積立NISAの方が良い。という結論を出しましたが、購入したい投資商品が積立NISAにラインナップされていることが条件です。
ただ、NISAは再投資型の投資信託を購入したほうが良いと考えています。
分配金が再投資に回され基準価格が増加することは、結果的には非課税枠が増加したのと変わらないからです。
株式の配当金では再投資されず、複利の効果を得られませんからね。
結論
積立NISAで再投資型の投資信託を買うのが安定的な選択です。
一般NISAで積立NISAでも購入できる投資商品を保持しているなら翌年からは積立NISAへの切り替えを検討すべきです。